学生の一人暮らしにとって、実家から送られてくる小包や仕送りはありがたき存在。
仕送りや学生のお財布事情は家庭によって様々ですが、実家から時々送られてくる“小包”も特色があるはず。
そこで今回は出身の違う4名の大学生に集まってもらい、自慢の小包や、小包にまつわるエピソードを語ってもらうことに。皆さん、どんなものを受け取り、どんな風に生活に役立てているのでしょうか。小包を通して大学生の一人暮らし、親子関係にフィーチャーします。
=登場人物紹介=




沖縄からカナダまで “実家”が詰まったわたしの小包自慢

大沢:みんな、実家から送られてくる小包には何が入ってるの?
あやえ:好物の高知産トマトはいっつも入ってる! それから、いもけんぴ1kgとミレービスケットっていう地元で有名なお菓子も入ってるかな。
大沢:いもけんぴ1kgってすごいね!(笑)
地元のお菓子で言うと、カントリーマアムは毎回送られてくるな。
くりす:え、カントリーマアムってご当地品なの?
大沢:一応銘菓みたいで、秦野市にでっかいカントリーマアム工場があるんだよね。秦野市のふるさと納税のお礼の品にも指定されてるくらいで……。全国のカントリーマアムは秦野工場だけで作られているんじゃないかって噂もある(笑)
かれん:町じゅう良い匂いがしそうだね(笑)私は沖縄出身だから、スパムはよく送られてくるよ。あと、レトルトのソーキソバも入ってる。
大沢:うわぁ、The沖縄じゃん! ちなみに、スパムってどうやって食べるの?
かれん:食べる分だけ切って玉ネギと炒めるだけで味付けもいらないし、おいしいんだよね。残った分はラップを巻いておけば日持ちもするし、楽だよ。
大沢:スパム最強だね(笑)あれ? 沖縄だったらゴーヤも入ってるんじゃない?
かれん:沖縄から今住んでいる家まで小包を送るのに3~4日かかるから、傷みやすいものは送れなくて……。だから、トマトを送ってもらえるのは、すごく羨ましい(笑)
あやえ:沖縄からの小包も羨ましいけどね(笑)そう言えば、くりすちゃんはカナダ出身だよね?
くりす:うん。父も母も日本人なんだけど、私はバンクーバーで生まれて……。母と妹はまだカナダにいて、エアメールで小包を送ってくれるの。
一同:す、すごい……(笑)
あやえ:カナダからの小包ってどんなものが入ってるの?
くりす:贈り物用のメープルシロップかな。あとはZARAとかアバクロとか、私の好きなブランドの服を送ってきてくれるよ。日本でも買えるんだけど、カナダで買った方が安いから。
大沢:えー! メープルシロップとか超オシャじゃん! めっちゃ欲しいんだけど、どうしたらもらえる?(笑)
あやえ:ほんと。「すごい」しか出てこない……(笑)
半月2,000円のジリ貧生活を救った小包とみんなのお財布事情
かれん:今まで届いてものすごく嬉しかったものとかって何がある?
あやえ:おばあちゃんが作った干し柿が入ってたときは嬉しかった! 渋柿からおばあちゃんが作ってるんだけど、あの味は市販品では絶対に出せないから。
大沢:真心がこもってていいね。俺は昔、2,000円で半月を耐えるっていう大ピンチに救援物資を送ってもらったときはめちゃくちゃ助かったなぁ。
かれん:半月で2,000円は壮絶だね(笑)どうやって切り抜けたの?
大沢:じいちゃんが作った米と根菜を送ってもらってひたすら自炊だよ。無駄にお金を使えないから飲み歩いたりもしないし、生活以外にすることがなくて、すごく健康的な生活を送れた気がする。当時の名残で、未だに大量の根菜と米が送られてくるから、最近は困ってるんだけど(笑)
あやえ:まさに救援物資だね(笑)バイトはしてなかったの?
大沢:ちょうどバイトを切り替えるタイミングだったから、お金がなくて……。お金を送ってもらうのは申し訳なかったから、食べ物のほうが頼みやすかったんだよね。みんな、バイトはしてる? 仕送りはどんな感じ?
あやえ:私は仕送りをもらってるし、週2、3回アパレルショップで計24時間くらいバイトしてるから、けっこう余裕あるよ。
かれん:私は家賃と生活費は自分で払ってるんだけど、ラーメン屋で週3、4回バイトしてるから、何とかなってる。次郎系のラーメン屋で、賄いももらえるの。
くりす:次郎系なの? かれんちゃんが、次郎系ラーメン屋で働いてるってギャップありすぎだね(笑)
大沢:持ってるなぁ(笑)
食べ物と愛情がぎっしり 小包が繋ぐ親子のコミュニケ―ション
大沢:食べ物の他に小包に入っているものってある?
くりす:あ、手紙はいつも入ってる。ちょっと特別なときにはグリーティングカードが入っていて嬉しい。
かれん:私も入ってる! 毎回、箱の1番上に「見逃すな」みたいな感じで置いてあるんだよね(笑)
あやえ:私も毎回手紙が入ってるんだけど、今までもらった手紙は全部取っておいてて……。「一気に食べると太るから気を付けてね」とか些細なことなんだけど、一生懸命書いてくれたんだなぁと思うと、何だか捨てられなくて……。
大沢:え、みんな、手紙って取っておくの? 俺、いっつも捨てちゃう。
あやえ:えー! さすがにゴミ箱行きにはできないよ(笑)捨てちゃうような手紙って何が書いてあるの?
大沢:よく読んでないから忘れちゃった(笑)まぁでも封筒に入ってないし、走り書き程度のメモだから捨てちゃうんだよね。それに、普段から親とは密に連絡取ってるし。趣味が合うから「あの記事読んだ?」とか、「あの本買った?」とか。
くりす:仲良しで良いね! でも、私も何だかんだ毎日電話してるなぁ……。
大沢:え! 毎日? カナダにかけるの?
くりす:うん。親がすごく心配性で、毎朝8時に起きて電話しないと怒られちゃうから……。
かれん:毎朝8時に電話するんだ! カナダは時差があるから、その頃は前日の夕方5時頃だもんね。離れて暮らしているから、余計に心配なのかも。
あやえ:毎日ではないけど、私も2、3日に1回は電話するかな。ただ、小包が届いたときは改めて電話するかも。母親が、トマトが潰れてなかったかとか、今回の梱包はどうだったかとかをすごく気にするから(笑)
かれん:お母さんかわいいね(笑)私は普段あまり連絡をとらないんだけど、小包が届いたときはメールでお礼言うかな。いつもは言えない感謝の気持ちとかも小包にかこつけて言えちゃったりする。
大沢:連絡をとるきっかけにはなるよね。
あやえ:確かにね。あとは会話だけじゃなくて、モノが送られてくるっていうのが嬉しいかも。もうすぐ母の日もあるし、私からもプレゼントを送ってあげようかな。

まとめ
こうして幕を閉じた一人暮らしの学生による“小包対談”。
食べるための救援物資”としてだけではなく、ご当地品で実家を懐かしんで癒されたり、親子のコミュニケ―ション手段になったりするなど、色々なハッピーが詰まっていたようでした。
普段は受け取るばかりですが、日頃の感謝を込めてたまには両親に宛てた小包を送ってみてもいいかもしれません。
(文・写真/佐々木ののか)