ひとり暮らし男子のお部屋拝見! Vol.3 ベッドシーツがカーテン代わり!?こだわり0の大学生宅にお邪魔したら、家主としてあるべきスタンスが見えた




「目は口ほどに物を言う」

……とはよく言うが、この「ひとり暮らし男子のお部屋拝見」企画が第3回を迎えた今回、筆者はあえてこう言いたい。

「部屋も口ほどに物を言うっぽいよ」と。

「一人暮らしの部屋には、家主のキャラクターがそのまま反映される」ということを、筆者、男子学生のお部屋を拝見させてもらう中で確信したのである。

効率重視のクールなお部屋の家主はやっぱりロジカルでスマートな男子だったし、おもてなし重視の華やかなお部屋の家主はさわやかでこだわりを大切にする男子だった。この企画は、部屋が家主以上に家主のことを語ってくれるところが、たいへん面白いのである。

さて、改めてそんな前置きをしたのも、今回、家主がいい意味でかなりパンチの効いたお方だったからである。個性的な家主の、そのクセの強さは、いったいどのような形で部屋に反映されるのか。

今回はそんな視点で楽しんでいただけたらと思います。ちょっとした息抜きに、ご一読いただけたらうれしいです!

突入するのはこの2人!

サノ(筆者)
93年生まれのライター。腰の低さに定評のある、至って真面目で平均的な男。

 

みさきさん
株式会社シューマツワーカー広報担当も務め、レースクイーン活動もしている女性ライター。過去の恋愛遍歴はかなり個性的とのウワサ。

 

■突入、今回の男子部屋

冬の夕刻。
筆者たちがたどり着いたのは、とても学生が住んでいるとは思えないゴージャスな外観のマンションだった(オートロック!)。
デザイナーズマンションのようなオシャレな雰囲気に呑まれないよう、必死で平静を装いながらポーズをとる。

これまでお邪魔した男子部屋と比べても、建物や屋内の大人っぽさはダントツだ。はたしてどんな家主が待っているのか、ドキドキしながら廊下を進む。

リッチなインターホンに興奮し「ほらすごい、光ってるよ……」とみさきさんに話しかけたが、そこまで珍しくもなかったのかとくに何の反応もなかった。今日も抜群のコンビネーションである。

気を取り直してインターホンを押すと、「はいはいー!」という声とともに扉が開いた。

櫻木
都内の大学で映画学科を専攻している、櫻木です。よろしくお願いしますー。

扉の向こうで待っていたのは、明るくもどこか謎めいた雰囲気の漂うこちらの男子。
所属する映画サークルでは代表メンバーとしての顔も持っており、聞くところによるとかなりの権力を握っているらしい。
大学の目の前という好立地物件に住んでいることも相まってか、櫻木先輩が一声かければ後輩や友達が即刻馳せ参じ、この部屋で宅飲みが始まるとのこと。

入室早々筆者の顔がこわばっているが、これは決して謎の権力を有する櫻木氏にビビったわけではない。理由は櫻木邸の玄関にある。


ひとり暮らしにも関わらず複数の長靴が散乱し、


下駄箱には2体の意味ありげな置物が無表情で佇んでいる。

出だしから謎が多すぎる。

1分前、我々はデザイナーズマンション顔負けのオシャレな建物に踏み込んだはずなのだ。
それが今、確実に呪力を持っていそうな謎の土偶とシリキ・ウトゥンドゥ(fromタワーオブテラー)の子分的な謎の泥人形に出迎えられている。

外観と内観のギャップがすごすぎて、一瞬頭が真っ白になる。

サノ
あ、あの…これは…?
櫻木
あっこの置物ですか?
背の高い土偶は先輩のお土産なんですけど、それよりこの小さい人形、よくないですか?
こっちは僕が買ったんですよ。かわいいですよねぇ。
サノ
えっ、あ…はい! かわいい! かわいいです!

序盤から完全に櫻木氏にペースをつかまれ、彼に案内されるまま本丸であるメインルームに進んでいく一行。

玄関までは櫻木くんのミステリアスさがそのまま反映されていたが、はたして彼の生活スペースにはどんな世界が広がっているのだろうか。不安と期待が入り混じった気持ちで、我々は恐る恐る部屋を覗きこんだ。

■部屋は語る「俺の家主はギャンブラー」


「……」


「……」


部屋、半分余っとる。

こちら、広さ8.9畳もあるという最高に贅沢なお部屋なのだが、ものが少なすぎて奥半分のスペースしか活用されていないのである。
家具もアイテムも信じられないほど少なく、ふだんの生活のようすがまったく見えてこない。

みさき
あの…ちょっと空間の使い方もったいなくないですか?
手前半分、ほぼ空いてるし…
櫻木
自分面倒くさがりなんで、本当にこだわりがないんですよ。

この家も内見一軒目で決めましたし、みんなで激しめの宅飲みするために実家から引っ越したかっただけなんで、物件の条件もとくになかったし、部屋のレイアウトをどうしたいとかも、あんまりないんです。

たしかに言われてみれば、


唯一のアイテム置き場らしきこちらの棚、


収納ボックスがドライヤーの空箱だし


なんなら空箱には無造作に1万円札がブチ込まれてるし、さらに聞けばこれが現在彼の全財産らしいし、


カーテン代わりにかけられた謎の布に至っては、


うん、これ完全にベッドシーツである。

みさき
いや、カーテンがベッドシーツはやばいわ。
サノ
DIY(「Do It Yourself」=自分で何かを作ったり、修繕したりすること。日曜大工)にしてもさすがに雑すぎない?
櫻木
べつに、DIYとかそういうことじゃなくて…使えるなら何でも同じかなって

収納ボックスだって、ものが入るならドライヤーの箱で問題なくないですか?
引っ越したときに買ったのはベッド、食器類、掃除機くらいですし、基本は全部使えそうなもので代用してます。

みさき
カーテンは? これも日光遮れるならOK的な?
櫻木
それは、家具屋さんへ行ったときにベッド売り場とシーツ売り場がべつの階にあって、サイズを合わせるのが面倒くさくなっちゃって適当に選んだシーツなんですよ。

そしたらサイズが合わなかったんです。

サノ
なんだろう、「だろうな」としか言えないわ。

でもまあ、はじめての一人暮らしって家具の揃え方とか勝手がよくわかんないよね。

櫻木
そうなんですよ……。
で、カーテンも買わなきゃってなったときに、買いに行く前にこの行き場のないシーツをひっかけてみたら意外とよくて。

たくましいというか何というか、ある意味究極の節約術のようにも思えてきた。

聞くところによると櫻木くんはパチンコがたいへんお好きらしく、その成果によって懐事情が大きく変動するのだそうだ。

たしかに彼の部屋からは、できるだけお金をかけないよう工夫された低コストなアイテムと同時に、過去に何度か訪れたのであろう輝かしき栄光を示すかのような「やたらと高級なアイテム」もホイホイ出てきた。


黒く輝くティファニーのペアリング


百貨店の1Fに入ったときの香りがするルイヴィトンの香水(表現力の乏しさが悔しいかぎりだ)、


聞いた瞬間思わずこうなっちゃった高額ジャケットもあったのだが、ようはこれ、
大勝ちしたときにそのまま勢いで買っちゃったアイテム」で間違いないと思うのである。

パチンコで勝った後大胆に購入したアイテム、またパチンコで負け苦肉の策で代用を思いついたアイテムがあちこちで散見され、櫻木氏がバクチの荒波にもまれて生きる生粋のギャンブラーであることがうかがえた。

■「下げて上げる」の鉄板法則。急なギャップにグッとくる

ここまで、探れば探るほど家主の破天荒さが色濃く浮かび上がってきた櫻木邸。正直なところ、ここまでは筆者もかなりビビっていたが、ここからは櫻木氏の素敵な一面もしっかりと伝わってくるので安心してほしい。

彼の素敵さを発見するきっかけとなったのは、筆者のとある無粋な質問だった。


「なあ櫻木くん」


結束バンドとテープがたくさん出てきたんだけど、これはいったい、ナニに使ってるんだい……?」

櫻木
ああ、もともと撮影の現場で使っていたんですけど、今は余っちゃってるんですよね。
引き出しの中は、撮影用の備品がいっぱい入ってます
映画サークルだけじゃなくて、撮影の仕事を請け負ったりもしてるんですよ。
みさき
さっきまでギャンブラーだったのに、急に仕事のアイテム出てくるのなんかズルいな。
しかも撮影現場で使うアイテムなんて普通の家では見かけないから、プロ感漂っててなおさらかっこいい。

で、サノ氏は何を考えてたんですか?

サノ
ごめんなんでもない、忘れて。


「ん? じゃあこっちは?」

櫻木
あっ、そっちは……
サノ
ウヴァッ、アアーーーーーッッ!!
サノ
あっダメ……サノさんこれダメ……
みさき
ち、血のりだ……!! すごい、本物初めて見た!!
櫻木
これも、昔撮影で使ってたんですよ!
何本もあるのはそれぞれ色が違うから。動脈の血(心臓から全身をめぐる新鮮な血)は赤いんですけど、静脈血(全身から心臓に戻ってくる血)は赤黒いので、それぞれ違う色の血のりを使うんですよね。

他にも、見た目はホンモノだけど危なくないようにきちんと加工したナイフとか……撮影仕事の影響でやむなく置いてるヘンなものは、掘り出せばどんどん出てくると思います。

懐かしいなあ。

みさき
「カーテンがベッドシーツ事件」を未だに引きずってる自分もいるけど、仕事人としての表情を見せられると、やっぱりなんだかんだグッときますよね
仕事系アイテム、重要。

仕事の一面だけでなく、キッチン周りから伝わってくる「自炊事情」も櫻木くんの部屋の魅力的なポイントだった。

よくある「男子っぽい」ごちゃつき感はありつつも、この調味料の豊富さは完全に料理をする人のそれである。
気になって聞いてみたところ、やはり櫻木くん、衣・食・住のなかで唯一関心があるのが「食」らしく、頻繁に自炊をしているそうだ。

はたして本当なのか、一応冷蔵庫も覗いてみると……

秋田県出身の友人のアドバイスに従い米びつごと冷蔵庫に保存していたり、

「卵の天ぷらを作るため」に卵を凍らせていたりと、
どうやらかなり日常的に、しかもなかなかのこだわりをもって料理をしているようすが伝わってくる。

雨の日に不良が捨て犬に傘をさしてやるのと同じ原理で、一見アナーキーなギャンブラーが家にあるもので適当に料理をふるまう姿は相当ギャップがあってズルいと思った。

やはり、こうして誰かのお宅にお邪魔するとふつうに話しているだけでは伝わらない家主の魅力が伝わってくるので、自分の魅力を伝えられずに悩んでいる人は、思い切って気になる相手を部屋に招いてしまうのもありなのでは…? とわりと本気で思った。

サノ
いやあ、はじめはギャンブラー・櫻木(どことなく漂うデュエリスト感)としての一面にビックリしましたけど、料理好きな一面、仕事にひたむきな一面……、いろいろな表情を感じられるお部屋で、とても楽しかったです!

今日はお忙しい中、どうもありがとうございました!

櫻木
お疲れ様でした! それではみなさん、お気をつけて…

スッ…

あ、空っぽ……

スッ…

櫻木
ありがとうございました!
サノ
いやちょっと待って、今ベッドの下から酒のゴミ出てきたよね?
なんで当たり前のように戻したの?
みさき
サノ氏、これ終わっちゃダメだわ。今の滑らかな動きには明らかに常習性を感じたわ。
ベッド下、撮れ高あるわ。

■堂々としていればたいていのマイナスは乗り切れる

ベッド下からパック酒のゴミが出てくるというビックリ箱っぷりに違和感を感じ、少しだけベッドの下を覗かせてもらった。

そこに待ち受けていたのは……

なんの捻りもないただのゴミ溜めであった。

みさき
いや、マジでふつうに汚い(笑)!!! ははははは!!!!
ほんとクソ汚い。
サノ
隠したのか。ロケが来ることを思い出して慌ててベッド下にゴミ隠したのか。正直に言うんだ。
櫻木
いや違うんですよ。飲み会してるとゴミとかいろんなものが全部ここに吸い込まれていくんですよ。

僕ももう、ここに何が眠ってるかわかりません。

みさき
靴下とかアイコスも吸い込まれてるけど、救出しないの?
櫻木
あえて取る気にはならないっすね。
みさき
もはや清々しいわ。

でも、これくらい自分のスタンスに堂々とされると、ほんとはツッコミどころ満載なはずなのに、なんか許せる気がしてきちゃう(笑)。

サノ
いや、わかります。

結局、下手にありきたりなオシャレに寄せるくらいなら、自分の個性に自信もって暮らしてるほうが健全なのかもしれないって、櫻木氏を見ていて思いました。はい、締めます。

今度こそ、今日はほんとうにありがとうございました!

■みさきさんの“好評!”ポイント

・収納ボックスやカーテンなど、気になるポイントに目立つからこそ、仕事や料理の一面が見えると簡単に評価がひっくり返ってしまう。ズルい
・8.9畳の家に遊びにいけるのはやっぱり相当テンションが上がる。宅飲みもきゅうくつさがない
・まわりの目を一切気にせず部屋のスタンスを自分らしく振り切っていていさぎよい。引け目がない感じもいい

■みさきさんの“気になる……”ポイント

・とは言え、収納ボックスもカーテンもふつうに買ってほしい
・せっかくの広さが半分死んでいるのはもったいない
・ギャンブルはほどほどにしてほしい
・ベッド下の靴下をはやく救出してやってほしい

■おわりに

今まで以上に家主の個性が顕著に表れた今回の物件。

ツッコまれてもツッコまれても最後まで言い訳せず自身の個性を素直にさらけ出す櫻木くんの姿にはたいへん好感が持てたし、みさきさんも最後には、

「あのベッドシーツも見慣れれば、オシャレなタペストリーに見えてくるよね。『坂本龍一も家でやってる』とか言われたらなんか納得しちゃいそうな気がしてきた」

などと完全にバグを起こしていたので、人を家に招くときは、自分の部屋=自分の個性に自信をもち堂々としているくらいが案外ちょうどいいのかもしれない。

きっと、自分の部屋くらい周りの目を気にせず思いっきり個性を出して好きに作ったっていいし、誰が何と言おうと「我が城」なのだから、誇らしげな顔で友人を招き入れればいいのだ。

部屋作りにおいてつい忘れてしまいそうになるそんな大切なことを、とってもユニークでチャーミングな櫻木先輩から学ばせていただいた気がします。

ちす! 先輩ありがとうございました! 失礼しまーーす!!


取材・編集/サノトモキ+プレスラボ
写真/藤原慶






この記事をシェア!

レオパレス21でお部屋探しレオパレス21でお部屋探し