「そんなつもりで言ったんじゃないのに!」
地方出身者は、うっかり方言であらぬ誤解を生んでしまった経験ってあるんじゃないでしょうか。
地元では当たり前の言葉なのに、他県では違う意味に感じられる言葉って実はたくさんあるはず。
今回はそんな方言にまつわる失敗談をインタビューしてみました。
目次
あなたの学生時代の方言失敗談
今回は地方出身の現役大学生や社会人に、「学生時代に方言で失敗したことありますか?」という内容でインタビューをしてみました。
聞いてみると意外と方言で失敗したりあわや大惨事になった経験の方は多いようで、非常に面白いお話が聞けたので紹介します。
「のうがわるい」は悪口じゃない
「あの時はうっかり先輩を怒らせてしまった」と語る高知県出身の田口さん(26歳)。
部活での休憩時間に椅子に座って休んでいると、先輩の座っている椅子がガタガタ。どうやら椅子は古くなって立て付けが悪くなっている様子。
それを見て田口さんはぽろっと「のうがわるいですね」と言ってしまった。それを聞いて先輩は「のうがわるい」→「脳が悪い」→「頭が悪い」と言われたと思って大激怒したんだとか。
実は土佐弁で「のうがわるい」とは「使い勝手が悪い、使いにくい、心地が悪い」という意味で主に椅子や車などの道具に使う言葉。決して人に対して使う言葉ではありません。
田口さんは「その椅子は使いづらいですね」という意味で言ったつもりだったらしいのですがそれがあらぬ誤解を生むことになりました。
「あの時は必死で方言だということを説明してなんとか分かってもらいました(笑)それ以来、地元以外では『のうがわるい』は使わないように気をつけてます」
という田口さん。
それにしても、方言がきっかけで喧嘩にならなくて本当によかったです。
彼氏に「おかして」と言ってしまった

「私も土佐弁で失敗したことがある」と言うのは同じく高知出身のゆかりさん(22歳)。
彼氏と付き合いはじめの頃、彼氏の家に初めて遊びに行ったときのこと。彼氏の部屋に入りカバンを降ろす時に「おかしてー」と言ってしまったゆかりさん。
実は「おかして」とは「(荷物)を置かせて」という意味。
ゆかりさん「(カバンを)置かせて」と彼氏に言ったつもりだったが、彼氏は付き合いたての彼女がいきなり「犯して」と言ってきたのかと思って思考が停止。しばらく驚いた顔でゆかりさんを見てきたんだとか。
後で失言に気づいたゆかりさんが意味を説明して彼氏も「なんだ。びっくりした」と笑ってくれたそうだが、今でもたまに彼氏にこのことでいじられるそうです(笑)。
今回は彼氏だからまだよかったですが、もし他の男の人に言っていたらと思うとゾッとする出来事でした。
「しこる」は卑猥な意味じゃない
「下ネタ系の失敗談なら僕もありますよ」
と言うのは熊本出身の竹中君(22歳)。
大学に入りたての時の新歓コンパの飲み会での出来事。
同じ地元出身の友人と新歓に行った竹中君。
初めて会った女の子と友人と竹中君の3人で話している時に、高校時代の部活自慢をする友人に対して「お前しこっとんな!」と言い放つ竹中君。
一瞬で周りが静かになり、女の子はドン引きしたそうです。
実は熊本弁で「しこる」は「カッコつける」の意味で、竹中君は「お前カッコつけてるな!」と言う意味で言ったつもりだったのです。
その後、竹中君はなんとか弁明して、得意のトーク力で方言の話題にすり替えてその場を乗り切ったそうですが、「あの時女の子だけじゃなくて周りの人も静かになったのは冷や汗が出ました(笑)」と苦笑いの竹中君。
最近ではこのことをきっかけに、地元の変な方言ネタは飲み会での鉄板ネタなんだとか。
他県の人と話すときは誤解されやすい方言は喋らないようにしていても、同じ地元の人と話すときはつい方言が出てしまうことってありますよね。女の子にドン引きされたままにならなくて本当によかったですね。
「ちんちんのお茶」ってどんなお茶?
「あのときは顔から火が出るくらい恥ずかしかったです」
と言うのは名古屋出身の美咲さん(21歳)。
飲み会の時の出来事。
飲み会も終盤に差し掛かり、奥の人が注文したお茶が店員さんが持ってきてくれたので、美咲さんが中継。奥の人に手渡す時に「これちんちんだで」と言ってしまった美咲さん。
手渡した人に「ちんちんじゃねーよ!(笑)」と言われて、周りのみんなは大爆笑。美咲さんは顔が真っ赤になったそうです。
実は「ちんちん」とは名古屋の方言で「熱い」と言う意味。美咲さんは「このお茶あつあつだよ!(気をつけて)」という気遣いのつもりで言ったのですが、その気遣いが大失敗。
その後も「ちんちんは方言でみんなの思ってるちんちんとは違うの!」と必死で説明する美咲さんですが、女の子が「ちんちん」と言う言葉を連呼しているのがみんなのツボに入ったらしく、しばらく笑い者になったんだとか。
「普段は言わないようにしているけど、酔っていたからつい出ちゃった」と悔しそうにいう美咲さん。
飲み会などでふと気が緩んでいる時に方言って出ちゃうものなのかもしれませんね。
おわりに
いかがだったでしょうか。
「おもしろい失敗談を教えてください」と聞いたので、自然と下ネタ系の失敗談が多く集まった気がします。
それにしても世の中には色々な方言がありますね。筆者も普段は土佐弁を喋るのですが、県外では誤解を生まないようにできるだけ標準語を喋るようにしています。
それでも、ふと気が抜けたときには方言がポロリと出て「え?それってなんて意味?」と言われることもしばしば。
方言には方言の良さもあるので、標準語だけで喋ろうとは思いませんが、誤解や失敗をしないように言葉使いには気をつけたいですね。