家を借りる前に知っておきたい「ハザードマップ」基礎知識




「ハザードマップ」は、単身赴任者や新入社員向けの借り上げ社宅を検討する人事総務の方や、初めての一人暮らし&土地勘がない地域での引っ越し先を探す方にとって必ずチェックしたいものです。

ハザードマップから得られる情報とは?どこでハザードマップを入手することができるのか?ハザードマップをどのように活用するべきなのか?といった重要ポイントを紹介します。

ハザードマップとは?

ハザードマップとは、洪水、土砂災害、高潮、津波といった自然災害のリスクを地図上でわかりやすく表示した「被害予測範囲」を示すものです。過去の自然災害の被害状況や災害対策の有無などから、どれくらいの規模の災害が起こったら、どれだけの被害が生じるかを地図に重ね合わせて可視化します。

毎年のように発生する豪雨災害に地震、いつ活動するかわからない火山など、日本国内は各地で何らかの自然災害のリスクを抱えているといっても過言ではありません。ここ10年に限っても、全国の至るところで人命が失われる大規模な自然災害が毎年のように発生しています。

2011年 新燃岳噴火
2011年 東日本大震災
2013年 台風26号で伊豆大島に土石流発生
2014年 豪雨による広島市土砂災害
2014年 御嶽山噴火
2016年 熊本県地震・大分県中部地震
2018年 7月豪雨(西日本を中心に、北海道や中部地方でも被害)
2019年 台風15号・19号(関東や甲信・東北地方で被害)
2020年 令和2年7月豪雨(九州・中部・東北地方で被害)

このように万が一の事態を考えて住まい選びをしたい方に、必ずチェックをおすすめしたいのがハザードマップです。

売買契約の際は、宅地建物取引主任者が必ず説明しなければならない重要事項に追加

近年、特に被害が多発しているのが「水害」です。台風やゲリラ豪雨、それによる土砂災害や海からの高潮・津波、内水と呼ばれる排水処理が追いつかずにマンホールや排水溝を逆流してしまう都市型水害まで、全国各地で対策が必要になっています。

このような状況で、住人一人ひとりが水害に備えて命を守る対応がとれるように、2020年8月から住宅・土地購入の売買契約はもちろん、賃貸契約の前にも重要事項説明の項目として「水害リスク」について説明するように義務付けられました。(宅地建物取引業法第35条

・水防法に基づき作成された水害(洪水・雨水出水・高潮)ハザードマップを提示し、対象物件の概ねの位置を示すこと
・市町村が配布する印刷物又は市町村のホームページに掲載されているものを印刷したものであって、入手可能な最新のものを使うこと
・ハザードマップ上に記載された避難所について、併せてその位置を示すことが望ましいこと
・対象物件が浸水想定区域に該当しないことをもって、水害リスクがないと相手方が誤認することのないよう配慮すること

引用:国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の改正について」

「こんな災害が起こるエリアと知っていれば……」という状況を回避する取り組みとして期待されています。

出典:国土交通省「不動産取引時において、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明を義務化~宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する命令の公布等について~ 」

ハザードマップはどこで入手できるの?

家が決まってから説明を受けるのではなく、家探しをする前にハザードマップを利用したいという人もいるでしょう。ひとくちに「ハザードマップ」と言っても、地域によってリスクの大きい災害が異なることもあり、すべての情報を一元的に把握することは実は難しいのです。

まずは、ハザードマップを管轄する省庁である国土交通省の「防災ポータル」にアクセスしてみましょう。「日ごろから知ってほしい情報」として、全国各地の被害想定を提供するサイトや資料が集約されています。

その中でもおすすめなのが「ハザードマップポータルサイト」です。場所を入力し、以下の中から表示する災害種別を選ぶと、地図上に想定最大規模の災害リスクがあるエリアを色分けで確認できます。

・洪水
・土砂災害
・高潮
・津波

出典:国土交通省「防災ポータル」
出典:国土交通省「ハザードマップポータルサイト」

ハザードマップを「賃貸物件を探すときに役立てる」視点とは?

ハザードマップの役割は「リスクが高いエリアを避けよう」という目的だけのものではありません。新しい住まい探しは「ハザードマップ」を見るべき大事なタイミングです。

賃貸物件を探すときに「ハザードマップ」をどのように役立てるか、そのポイントを紹介します。

・避難できる場所が近くにあるか確認する
・最大浸水がわかると、「上階避難」「在宅避難」の検討に役立つ
・自治体によって対策や支援策が異なることを知れる
・会社として「災害時に従業員をどのように守るか」を話し合うきっかけとして利用する
・災害が起きたときにどのルートで逃げるか事前に対策を練ることができる

引っ越し後もハザードマップを「いざというときの行動」に活用しよう

「数十年・数百年に一度、と言われるような災害が毎年のように発生していても、実際に自分の身に降りかかるまではどこか実感がなく、避難が遅れてしまった……」

「正常性バイアス」と呼ばれる「この程度なら、まだ大丈夫だろう」という思い込みは、無知であることから生じます。

過去の水害の発生状況を知るだけで、避難に必要な時間やどこを目指すべきか、といった行動が変わります。それが結果として自分の命を守ることにつながるのです。いざというとき、スムーズに行動がとりやすい場所を選ぶ意識が大切でしょう。

スマホでも簡単にチェックできるハザードマップですが、緊急時にはそのスマホが使えない場合もあります。そこで、自治体で配布している「紙の地図」形式のハザードマップ最新版を、自宅の避難アイテムに準備しておいてはいかがでしょうか。

まとめ

災害はいつ起こるかわからないものであると同時に、いつからでも準備をはじめられるものです。そして、日常生活のすべてを「自分が生きている間に起こるとは限らない災害」に完璧に対応できるよう暮らすことも現実的ではありません。「自分の生命・安全を守るために最低限知っておくべき知識」を、いざというときに活用できるようアップデートしていきましょう。






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