改正女性活躍推進法・2022年施行について知っておきたい基礎知識




「女性活躍推進法」は、単なる「雇用条件や採用機会の男女平等・差別禁止」にとどまらず、より女性が活躍できる社会を目指すために生まれました。2016年4月から10年間の時限立法で施行されましたが、2019年5月に改正、2022年4月から施行されることとなります。

コロナ禍で女性の労働環境はより厳しいものとなっているという調査結果もあるなか、企業と従業員がともに成長するためのヒントとなる「女性活躍推進法」の基礎知識を紹介します。

女性活躍推進法とは?2022年施行の改正ポイント

女性活躍推進法とは、2016年に「10年間」という期限付きで施行された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の略称です。

女性従業員がよりよい職業生活を送るための職場を選ぶにあたって必要な情報開示を義務化し、さらに高い開示目標の設定を企業に求めるものとなっています。その支援のために、国や地方自治体が取り組む内容もあわせて規定されています。

【国の取り組み】
・女性の職業生活における活躍の基本方針を策定する
・企業の取り組みのうち、優良な事例を認定する
・厚生労働大臣(都道府県労働局長)は女性活躍推進に関する報告を徴収し、内容について助言私道・是正勧告を行う

【企業に求められる取り組み】
・女性の活躍に関して、現状がどのようになっているか数値で把握する
・改善すべき状況を分析する
・今後の目標や取り組みを「事業主行動計画」に策定し、公表する
・省令で定められた「女性の活躍に関する情報」についてHPなどを通じて公表する

出典:厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」

2022年4月施行の改正ポイント「義務の対象が従業員数101人以上に拡大」

2016年4月施行から「10年間の時限立法」の半分以上の期間が過ぎ、「女性活躍」を取り巻く環境が劇的に向上したと言うには難しい状況が続いています。

法律の対象がより広い範囲に波及するよう、これまで「従業員301人以上」であった上記施策の取り組み義務化対象を、努力義務であった「従業員101人以上」に拡大するとしたものが今回の改正内容です。

この「従業員数」には、正社員だけでなくパート・アルバイト・契約社員などのうち、以下の従業員も含まれます。正規雇用の社員だけではないことに注意が必要です。

・無期雇用
・有期雇用で、1年以上雇用されている・1年以上引き続き雇用される予定

都道府県労働局に提出義務あり!「一般事業主行動計画」とは?

女性活躍推進法のメインとも言えるのが、企業に義務化された「一般事業主行動計画」です。
これは以下のステップで組み立て、届け出と公表を求められる「改善計画」です。

  1. 自社の女性の活躍に関する状況を把握し、課題を分析する
  2. 1つ以上数値目標を決め、行動計画を策定し社内に周知する
  3. 策定した行動計画を都道府県労働局へ提出
  4. 女性の活躍に関する情報を1項目以上社外へ公開する

「女性の活躍に関する情報」には以下のようなものがあります

・女性労働者の割合
・男女の平均継続年数の差異
・労働者の平均残業時間数(男女問わず)
・管理職に占める女性労働者の割合

その他、採用・評価・育成・職場風土など、数値として把握することが女性活躍につながる可能性の高い事項が、多数項目に挙げられています。

一般事業主行動計画の策定について、今から準備できることを進めておきましょう。厚生労働省では、一般行動計画の策定例を用意し、提出しやすいよう電子申請システムによる届け出も可能としています。

出典:厚生労働省「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しましょう!」

女性の就労、日本の現状とは

そもそも、女性の就労を取り巻く環境はどのようなものなのでしょうか。自社の状況を相対的に把握するために、また目標を設定するためにもその実情を知る必要があります。

厚生労働省の年次報告書「働く女性の実情」によると、女性の労働者数、女性が占める割合ともに緩やかな上昇を続けており、令和元年には全労働人口のうち44%を女性が占めるまでになりました。また、全年齢階級で労働力率も上昇。いわゆる「M字カーブ」と呼ばれる、出産・子育てで労働から離れる期間の高低差も緩やかになりつつあります。

出典:厚生労働省「働く女性の実情」

しかし、女性の労働環境は今も「非正規」が中心です。その割合も上昇を続けています。NHKの調査によると、「雇用に変化が起きた人の割合」を男女/正規・非正規で分けた場合の数値に大きな差が出ています。

男性……18.7%
女性……26.3%
女性(正規)……18.4%
女性(非正規)……33.1%

失業、離職、休業や労働時間の急減などの生活への大きな影響が、女性、特に非正規雇用で顕著に表れています。不安定な雇用、低賃金、スキルアップが難しい働き方などを改善ですることは社会の要請でもあるのです。

出典:NHK「【データで見る】新型コロナ 働く女性への影響は」

現状の把握と公表が「働きやすい職場づくり」の第一歩

業界や職種特性、地域などによっても「平均的な数値」は異なります。働きやすい職場を定性的ではなく、定量的に把握することが、PDCAサイクルの一歩目であるといっても過言ではありません。先進的な取り組みをしている各社がどのような数字を公表しているか、まとめて確認できるデータベースがあります。

それが、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」です。前述の「一般事業主行動計画」策定の際に調査した情報や、これからの行動計画を登録・公表を支援するものです。

就職活動中の学生や転職活動中の求職者向けに公表されたデータをわかりやすく公開しています。どのような会社がどのようなデータを公開しているのか、女性活躍を実現している会社はどのような目標を設定しているのか、参考になるデータベースです。

出典:厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」

まとめ

「女性の働きやすさ」の数字には、女性だけが注目しているわけではありません。ジェンダー教育を受けてきた男子学生にとっても、「働きやすさ」に取り組む企業は魅力があり、有給取得率や特別休暇の種類などを企業選びの参考にしています。

優秀な人材を獲得するためには「常に良い結果が出せる数字」のみ公表するのではなく、最初は低い数値であっても経年で改善してきた実績を積み重ねることです。一つでも多くの数値を公表するよう、大学やハローワークの後押しも必要なのかもしれません。






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