注目されているボランティア休暇|企業が取り入れるメリットや活用事例




働き方改革、ワーク・ライフ・バランス、人生100年時代……働く時間とプライベートな時間、その両方をバランスよく充実させる生き方が支持されています。そんななか、企業が独自に制度化する「特別休暇」に注目されています。

単なる休暇日数の多さではなく、休暇の目的を通じて社員一人ひとりにどのようなメッセージを伝えるかが問われる、特別休暇について紹介します。

特別休暇とは?企業が自由に設定する「法定外休暇」の基礎知識

企業が従業員に付与する休暇の種類は以下の2つに分かれます。

「法定休暇」…法律で付与が義務付けられる
「法定外休暇」…企業が福利厚生制度の一環として自由に設定・付与できる。この、法で定められた法定休暇以外の休暇のことを「特別休暇」という

法定休暇は付与されるべき休暇

法定休暇は法律で最低限の付与条件や日数が定められている休暇で、年次有給休暇、生理休暇、育児休業、介護休業などが対象になります。これらの休暇は、基準を満たした従業員すべてに付与されるべき休暇です。

特別休暇は企業によって条件が異なる

それに対して、特別休暇は企業によって特別休暇制度の有無や種類、付与条件などが異なります。まずは、特別休暇制度の有無や、どのような特別休暇制度を設定しているか資料から確認しましょう。

・特別休暇制度がある企業の割合

法定休暇以外の特別休暇制度がある企業の割合は、企業規模によって差がありますが、全体平均で6割近くが何らかの特別休暇制度を設けています。

全体平均……58.9%
従業員1000人以上……76.4%
同300~999人……71.1%
同100~299人……63.9%
同30~99人 ……55.5%

出典:厚生労働省「令和2年就労条件総合調査」

・導入事例が多い特別休暇

特別休暇は、休暇を取得する条件や目的を定めることができます。最も多くの企業が導入する特別休暇は慶弔休暇で、何らかの法定外福利厚生制度を設けている企業のうち9割と高い導入率となっています。

また、病気休職も多く、これまでの特別休暇は「社員の意思で取得を決定する」というよりは、アクシデントに対応するための休暇が上位を占めているのがわかります。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」

今、注目される「ボランティア休暇」とは?

各企業が裁量をもって自由に制定できる特別休暇ですが、なかでも国が導入を後押しするなど注目を集めているのが「ボランティア休暇」です。

ボランティア休暇とは、労働者が自発的に無報酬で社会に貢献する活動を行う際、その活動に必要な期間について付与される休暇で、「社会貢献活動休暇」と呼ばれることもあります。

事業主は、地域活動、ボランティア活動などに参加する労働者に対して、その参加を可能とするよう、特別な休暇(ボランティア休暇等)や労働者の希望を前提とした年次有給休暇の半日単位の付与などについて検討することが求められます。

引用元:厚生労働省 働き方・休み方改善ポータルサイト「ボランティア休暇」

前出の厚生労働省「令和2年就労条件総合調査」では、4.6%の実施割合とまだまだ一般的ではありませんが、自己成長や社会貢献に意欲的に取り組む企業の支持を受け、導入が広がっています。特に、従業員数1,000人以上の大企業ではすでに22.5%の導入率となっています。

ボランティア休暇制度化のきっかけは東日本大震災

ボランティア休暇に注目が集まったきっかけの一つが、東日本大震災をはじめとする近年の大型災害です。緊急度と必要性が高い災害ボランティアに、会社として支援する取り組みだけでなく、社員一人ひとりのボランティアを後押しする動きが広がりました。

宮城県仙台市や青森県八戸市に事業所を持つオノエンホールディングス株式会社では、東日本大震災時に経営陣が被災地で炊き出しなどの支援活動に取り組みました。そのことをきっかけに、新入社員研修にボランティアを組み入れ、5日間の有給ボランティア休暇制度を設けました。

花王株式会社でも、2011年3月のわずか3か月後にボランティア特別休暇を導入しています。

出典:厚生労働省「人と企業を活性化する休暇制度を導入しましょう」

ボランティア休暇制度は就業規則にどのように記載すべきか

ボランティア休暇を導入する場合、就業規則の変更・記載が必要です。モデル就業規則には現状ボランティア休暇についての記載はありませんが、働き方・休み方改善ポータルサイト内に就業規則記載例が紹介されています。

(ボランティア休暇)

第○条
ボランティア休暇の対象となるボランティア活動は、日本国内で行われる次の各号に掲げるものとする。
①地域貢献活動
②社会貢献活動
③自然・環境保護活動
④災害復興支援活動
2 ボランティア休暇制度を利用して休暇を申請できる者は、すべての社員とする。
ただし、休職期間中の者、育児休業中又は介護休業中の者その他休業中の者は対象とならないものとする。
3 ボランティア休暇の取得申請は、開始予定日の1か月前までに、会社指定の様式により行い、許可を得る必要がある。
4 ボランティア休暇の取得日数は、1年間で最大 日とし、有給とする。
5 ボランティア休暇取得後は、速やかに会社指定の様式によりボランティア活動に関する結果報告を行うものとする。

引用:ボランティア休暇制度周知リーフレット(令和2年度)

ボランティア休暇の内容と活用事例

ボランティア休暇の内容には、大きく分けて「短期&有給」「長期&無給」のケースがあります。それぞれの概要と事例をピックアップしました。

短期のボランティア休暇

比較的導入しやすいのが短期のボランティア休暇です。取得期間は年間最大5日程度、多くは有給での休暇を認めています。取得可能なボランティアの範囲を設けている場合は、以下のような事例がありました。

・自然災害など緊急度の高いボランティア
・地域社会への貢献度が高いボランティア
・ドナー活動
・子どものスポーツ活動支援

また、ボランティア活動の普及促進のため、ボランティア活動についてのレポート作成を義務として情報発信を求める、金銭的な負担を軽減するためボランティア保険や交通費を会社負担とするといったプラスαの取り組みにも注目が集まります。

出典:ボランティア休暇制度周知リーフレット(令和2年度)

長期のボランティア休暇

休暇取得期間中の業務代替手配の問題もあり、導入のハードルは上がりますが、より柔軟な働き方の支援につながるのが長期のボランティア休暇の導入です。

長期間のボランティア活動のなかでも歴史が長く、貢献度も高いのが青年海外協力隊による国際貢献です。現職参加制度が設けられており、現在までボランティア休職制度などを活用して、のべ2,000以上もの企業・団体に派遣実績があります。

企業がボランティア休暇を導入するメリット

本業での知識や経験と必ずしも直結しないボランティアですが、ボランティア休暇を設定することで企業が得られるメリットは少なくありません。たとえば、以下のようなメリットがあげられます。

・企業イメージ向上
・人材育成の機会
・社員のモチベーション向上
・採用力向上
・CSR活動の一環

まとめ

災害時など緊急事態のボランティア活動から、地域振興のための活動まで、ボランティアの種類はさまざまです。従業員が生き生きと社会とかかわりを持って活動し、その活力を仕事に循環させる仕組みとしてボランティア休暇は役に立ちます。

自社の従業員がどのような「社会的活動」に興味があるか、ヒアリングするところから制度検討を始めてみてはいかがでしょうか。






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