外国人採用を検討するときに必要な基礎知識




少子高齢化による労働人口減少を補うための「若年労働者雇用」という理由以外にも、高い語学力やバイタリティーを求めて、積極的に優秀な外国人を採用しようとする企業が増えています。

はじめての外国人採用を検討するために必要な基礎知識と、採用にあたって留意すべきことを紹介します。

日本国内で就労できる外国人とは

日本に限らず、外国で働くためには資格や許可が必要です。そのため、数ヶ月ゆっくり観光する予定で入国し、面白そうな仕事を見つけたので働くことにした、ということはできません。日本国内に入国・滞在する「在留資格」のうち、就労が認められるものは29種類あります。

在留資格の種類によっては、どんな仕事でもできる資格と、活動制限がある資格があります。例えば以下のような仕事は、日本国内で行うことができる活動が規定されており、それ以外の仕事で収入を得ることはできません。

・「外交」…外交官や領事館の構成員としての仕事
・「教授」…大学などの研究教育活動
・「芸術」…音楽や美術に関する活動 など

今回は、在留資格のなかから一般的に「企業が従業員として雇用するケースに該当するものをピックアップしました。在留資格と認められる業務内容を確認しましょう。なお、「永住者」「日本人と永住者の配偶者」「定住者」に関しては就労制限はありません。

また、「技能実習」については、主目的は「就労」ではなく「特定の産業での技術習得を目的とした国際貢献」であることに注意が必要です。

※令和2年9月現在

出典:出入国在留管理庁 在留資格一覧表

外国人労働者の雇用状況

外国人を雇用する場合、外国人労働者の雇入れ・離職時に「氏名、在留資格、在留期間」などを確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出る義務があります(ただし、特別永住者、在留資格「外交・公用」の者は不要)。

この届出の状況を集計したものが「外国人雇用状況」です。

毎年10月末時点で調査集計され、1年に1度公表されるデータです。令和2年時点では、外国人労働者は172万4328人と、前年同期比4.0%の伸びを見せていました。外国人を雇用する事業所数も10.2%増の26万7243か所と伸びています。

どちらも平成19年に届出が義務化されてから、過去更新していますが、増加率は前年から減少しています。増加率が減少した理由の一つに、新型コロナウイルスの影響もあるのではないでしょうか。

また在留資格別で見ると、「専門的・技術的分野の在留資格」の労働者数が 35万9520人と、前年から9.3%増加しており、「技能実習」に関しては 40万2356 人と、前年から4.8%増加しています。

出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届け出状況まとめ

高い日本語力と意欲が期待できる正規留学生採用

日本国内の大学・大学院・各種専門学校に留学し、高い日本語力と専門性をもって日本国内での就労を希望する正規留学生を積極的に採用する企業は、ここ数年増加傾向にありました。

グローバル化やインバウンド対応といった「語学力や外国文化の理解」を求めての採用だけではなく、ダイバーシティ強化や優秀な人材の獲得のために多様な採用チャネルを持つことを目的とするものです。
※画像は株式会社ディスコ「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する調査」の調査データをもとに作成
出典:株式会社ディスコ「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する調査」

外国人留学生を採用する際の注意点

しかし意欲と能力が高い人材であっても、就労ビザの申請が通らなければ就労することはできません。入国時は「留学」ビザで入国するため、改めて就労ビザを申請します。就労ビザの申請者は外国人労働者本人です。

しかし、就労ビザの申請が許可されず、「不交付処分」になってしまうことも珍しくありません。自社で求める職務と在留資格による制限が合わないとみなされるケースもあります。

適した職務内容であっても、日本語に不慣れな外国人が、自力ですべての申請書類を問題なく用意することは困難です。そのうえ出入国在留管理局宛ての雇用理由書など、雇用する企業が用意する書類が複数あるため、就労ビザの申請は企業が行っています。

ただ、初めて外国人採用を行う企業にとっては、この申請に慣れていないでしょう。実際に、先ほど紹介した株式会社ディスコの調査資料にも「外国人社員採用・活用の課題」というアンケート項目があり、30.3%が「在留資格の変更手続きなどの負担がかかる」と回答しています。

初めて外国人労働者を雇用する場合、就労ビザ申請経験の豊富な社労士・行政書士に相談・依頼するとよいでしょう。

就労手続きとは異なる!技能実習生制度を導入するには?

長年人手不足が叫ばれている介護、農業、漁業、外食、製造などの「特定業種」で、外国人材を受け入れる仕組みが技能実習生制度です。技能実習生制度を規定する技能実習法には「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」(法第3条第2項)と記載されており、一般的な「就労」とは異なる手続きが定められています。

技能実習計画を立て、認定を申請し、受け入れ後も「技能実習責任者」をおき養成講習を受講する必要があります。

はじめて技能実習制度導入を検討する際は、地域の事業協同組合や商工会等が運営する「監理団体」に相談しながら準備をすすめましょう。

出典:公益財団法人国際人材協力機構「外国人技能実習制度とは」

外国人労働者の賃金と外国人労働者が日本に留学する理由

厚生労働省が令和元年(2019年)に実施した「賃金構造基本統計調査」によると、外国人労働者の賃金は月額22万3100円となっています。これは33.4歳の平均月額で、日本人を含む同年代の一般労働者と比べると、約8割と下回っています。

さらに在留資格別で見ると、「専門的・技術的分野(特定技能を除く)」は月額32万4300円(32.3歳)で、「技能実習」は月額15万6900円(26.7歳)となっています。

このような賃金の差は、今度の外国人労働者の待遇に関しての課題であるでしょう。

出典:厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査(2019年6月)

日本に留学してくる外国人はなぜ日本を留学先に選ぶのでしょうか?「日本を留学先に選んだ目的」を調査したアンケートでは、日本留学前から留学の目的を「日本で働く、もしくは日本企業に就職する」と回答したのは46.2%で、半数近くが日本での就労を希望し来日しています。日本を留学先として選んだ理由では、1位が「日本社会に興味があり、日本で生活したかったため」で、60.8%となっています。

アンケートからわかるように、日本を留学先に選ぶ外国人留学生は、日本の社会や企業に魅力を感じています。彼らが「日本に期待することは何か」「どんな仕事がしたいか」などをしっかり聞き取って実現に向けて寄り添う姿勢が必要です。

出典:独立行政法人日本学生支援機構 「平成29年度 私費外国人留学生生活実態調査」

まとめ

ひとくちに「外国人」といっても、日本語能力や来日理由、取得ビザの種類など、その背景は十人十色です。受け入れる側のダイバーシティの理解が進んでいなければ、せっかくの優秀な能力を発揮できないかもしれません。「はじめての外国人採用」だからこそ、入念なヒアリングや準備を通じて、理解を深めることが大切です。






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