ダイバーシティ&インクルージョンに取り組む人事のための基礎知識




企業HPのコンテンツとして、「ダイバーシティ&インクルージョン」という言葉をよく目にするようになりました。

ダイバーシティ&インクルージョンとは?企業は何のためにダイバーシティ&インクルージョンを掲げるのか?具体的な企業活動での取り組みとは?人事採用担当者が知っておくべき基礎知識を紹介します。

ダイバーシティ&インクルージョンとは?

ニュースで耳にしたことはあるけど、意味を問われると難しい。そんな言葉は少なくありませんが、この「ダイバーシティ&インクルージョン」もそのひとつではないでしょうか。まずはそれぞれの言葉の意味と違いを確認しましょう。

ダイバーシティ(diversity)とは

ダイバーシティとは、人種や国籍、ジェンダー、障がいの有無や性的指向・性自認、文化や言語、宗教などの、さまざまな個人の違いが存在することを言います。日本語では「多様性」と表現されます。

インクルージョン(inclusion)とは

インクルージョンとは、組織を構成する一人ひとりが違いを持っていることを前提として、その多種多様な個性が組織に含まれていることを言います。日本語では「包括・包含」と表現されます。

ダイバーシティとインクルージョンの違い

ダイバーシティとインクルージョンは、全く別個のものでも、対立した考え方でもありません。ダイバーシティ(多様な人材)から発展したものが、インクルージョンの(個人を尊重し、個性を活かす)です。

なぜ、企業は「ダイバーシティ&インクルージョン」を掲げるのか

ダイバーシティ&インクルージョンは、もともとアメリカからはじまった考え方です。

1964年の公民権法成立で、「迫害」とも言うべき黒人への人種差別がアメリカではじめて法的に禁止されました。特に重要だったのが「雇用の面での平等」を定めたことです。

しかし、長年の差別意識がすぐに払拭されたわけではありません。法律が施行された後も、アメリカの人種差別は根深く残り続けます。某大手企業では、雇用における賃金・昇進・能力評価・解雇・配属などの人事で差別があったとして、提訴されたことがありました。

差別による訴訟が起これば、企業のイメージダウンは避けられません。このような訴訟を避けるため、ダイバーシティは訴訟リスクを軽減する目的で広がり始めたのです。

その後徐々に、ダイバーシティによって多様化した組織が事業により良い影響を生むこと、新たなサービスや商品を生み出す源泉となることが経営者の共通認識となっていきました。

アメリカで「ダイバーシティ&インクルージョン」の考え方がいち早く広がったのは、強い差別とその反動との「違い」について、強い実感があったからかもしれません。

企業が掲げるダイバーシティ&インクルージョンの例

今、ダイバーシティ&インクルージョンにいち早く取り組む企業がどのような理念を掲げ、具体的な取り組みをしているか、各社の事例を紹介します。

各社のホームページでは、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを大きく紹介していることから、どれだけその考えを大切にしているかを感じられるでしょう。

武田薬品工業株式会社

武田薬品工業では2016年度から2020年度にかけて、女性の活躍促進をKPIに定めた5つの計画実施期間を設けています。取り組みを数値化することで、社員全体にも意識が浸透しそうです。

武田薬品工業株式会社公式HPより

ソニー株式会社

ソニー株式会社のダイバーシティへの取り組みは自社内にとどまらず、さまざまな社会活動に参加することで世界中に支援の輪を広げています。

ソニー株式会社公式HPより

PwC Japanグループ

複雑化・多様化する企業の経営課題解決を支援するPwCらしく、関連するアンケート調査結果の公表や、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みについての問い合わせ窓口を設けるなどの情報発信に取り組む姿勢がホームページから伝わります。

PwC Japanグループ公式HPより

三井住友海上火災保険株式会社

目標数値をもってダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでいることが、各種データからわかります。平均勤続年数や育児休業取得率が男女別に掲載されているため、ベンチマークとしても参考になるでしょう。

三井住友海上火災保険株式会社公式HPより

経済産業省が推進する「ダイバーシティ経営」

ダイバーシティ&インクルージョンの概念は理解したが、具体的には自社の企業経営にどのように反映させればいいのだろうか……?とお考えの経営者向けに、経済産業省が作成した「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」と現状が把握できる「ダイバーシティ経営診断ツール」があります。

このように、国をあげて取り組みが推奨されるダイバーシティ&インクルージョン。「同一性」を重視し、学歴や性別など同じような属性でつくり上げられてきた組織であればあるほど、「潜在的な差別意識」に気付きにくいものです。

「ダイバーシティ&インクルージョン」について、「認識できていない差別の具体的な事例」を経営者と従業員がともに学ぶところからスタートしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

ダイバーシティの認知度は向上しているものの、その理解は「女性活躍」など、ごく一部の文脈にとどまることも多く、インクルージョンについては、まだまだ言葉自体を知らない人も多いでしょう。

しかし、多様性を活かす社会変化は、時代の流れとして当然のこととして受け入れられつつあります。多様なバックグラウンドを持つ人材が、活躍する組織づくりに取り組んでみませんか?






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