男性の育児休業取得について人事担当者が把握すべき最新の基礎知識




「当社では、男性が育児休業を取得したケースはない」こんな言葉を聞くことは、あと数年のうちにほとんどなくなるかもしれません。男性の育児休業に対する認識は、若手社員を中心に大きく変わりつつあります。

今回は、多様な働き方を実現するための男性の育児休業について、最新の基礎知識を紹介します。

育児休業を取得する男性は数年のうちに激増するかも!?

まずは男性の育児休業の現状を確認しましょう。

【育児休業者の有無別事業所割合の伸び】
以下のグラフは、配偶者が出産した男性がいた事業所のうち、男性育児休業取得者がいた事業所の割合を示しています。

2014年(平成26年)には4.2%だった男性育児休業者割合は、2019年(令和元年)では10.5%にまで上昇しました。わずかな増減を繰り返していた時期と比較すると、ここ5年で上昇しています。

男性の育児休業者が上昇している理由として、共働き世帯の増加などさまざまな要因がありますが、以下のグラフからわかるように、事業所従業員数5人~規模の中小企業も含めて育児休業制度の社内規定が整いつつあることもその一つです。

出典:厚生労働省「令和元年度雇用均等基本調査」令和2年7月発表

国も「男性の育児休業取得」について、より支援する方向性を示しています。配偶者が出産した夫に対して、育児休業取得の推奨を義務化することを検討しています。

このように、男性の育児休業取得に関して、考え方が変わっていることがわかります。

育児休業の基礎知識

育児休業制度とは、「育児・介護休業法」に定められたものです。平成29年10月1日より現行の改正育児・介護休業法がスタートしました。

そもそも育児休業は女性のためだけの制度ではありません。出産をする女性だけの制度は「産前産後休業」であり、「育児休業」とは別です。

男女共通の育児休業制度と措置

まずは育児中の男女ともに関係する、基本的な制度の概要を確認しましょう。

【育児休業制度とは?】
子が1歳(保育所に入所できないなど一定の場合は、最長で2歳)に達するまで育児休業が取得できる【時間外労働の制限】
小学校就学前までの子を養育する労働者が請求した場合、1ヵ月24時間、1年150時間を超える時間外労働を制限する【所定外労働(法定労働時間内の残業)の制限】
3歳に達するまでの子を養育する労働者が請求した場合、所定外労働を制限する

【転勤についての配慮】
育児中の労働者を転勤させる場合、育児の状況について配慮する

【不利益取扱いの禁止】
育児休業などの申出・取得を理由とした解雇や、不利益取扱いを禁止

【深夜業の制限】
小学校就学前までの子を養育する労働者が請求した場合、深夜業を制限する

【育児休業等に関するハラスメントの防止措置】
育児休業などの申出・取得に関して、上司や同僚によるハラスメントを防止する措置を義務付ける

【育児休業給付金】
育児休業期間中に無給など一定の要件を満たす場合には、「育児休業給付金」が支給され、休業開始時賃金の67%(休業開始から6か月経過後は50%)が支給される。さらに育児休業給付金は非課税で所得税はかからず、翌年度の住民税算定額にも含まれない。また、育児休業中の社会保険料・雇用保険料は労使ともに免除となるため、結果的に手取り賃金で比較すると休業前の最大約8割となる。
夫婦で育児休業を取得する場合はどちらにも育児休業給付金が支給される

男性育児休暇取得を促進するプラスαの制度

上記の両立支援制度のほか、男性の育児休業取得を推進するために設けられた制度があります。共働き世帯の育児休業をより使いやすくするためのプラスαの制度です。

【パパ・ママ育休プラス】

父母がともに育児休業を取得する場合、原則「1歳まで」の休業可能期間が「1歳2か月に達するまで」の間の1年間に延長できます。
母が子どもの1歳の誕生日で復帰するタイミングで、父が1歳~1歳2ヶ月まで2ヵ月間育休を取得し、復帰サポートをするといった使い方ができます。もちろん、父と母が二人で同時に、できるだけ長く一緒に育休を取ることも可能です。

【パパ休暇】

母の産前産後休業の8週間以内に父の育児休業を取得・終了した場合、再度育児休業を取得できます。
出産直後の大変な時期に短期の育児休業を取得し、保育園の通園が始まるタイミングで2度目の育児休業を取得するといった使い方ができます。

出典:厚生労働省 イクメンプロジェクト「育児休業を取る」

国が後押しする男性の育児休暇取得

家庭と仕事を両立する従業員と、雇用する企業を支援し負担を軽減するため、さまざまな給付金が用意されています。そのなかに、男性の育児休業取得支援を目的とした助成金があります。特に、2020年度には一部の支給要件が拡充・緩和され、利用しやすくなっていることに注目です。

【出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)】
育児休業を取得した男性労働者が生じた事業主に助成金を支給。

出典:厚生労働省 2020年度 両立支援等助成金のご案内

最も金額が多い「一人目」の育休取得者が出た場合、中小企業で57万円(生産性要件を満たした場合は72万円)、さらに2020年度は個別支援加算として10万円(同12万円)が追加で支給されます。要件としても、中小企業の場合は「連続5日以上の育児休業取得」となっており、取り組みやすい設定です。

育児休業や育児目的休暇を取得しやすい職場の雰囲気づくりを目的とした、就業規則などへの規定や研修実施、資料配布などでの周知が求められます。

出典:厚生労働省 事業主の方への給付金のご案内

まとめ

男女雇用機会均等法も完全週休二日制も、導入当初は「難しい」「わが社には不要」といった意見がありましたが、今では当たり前となった制度であり、男性の育児休業も同様です。

出産・育児に限らず「すべての従業員が働きやすく、能力を発揮できる会社」を目指し、男性の育児休業の取得が当たり前の組織づくりを進めてみませんか?






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