リモートネイティブ世代の「ヒューマンスキル」の伸ばし方と活かし方




リモートワークの普及とともに、社会人生活をスタートすることになった2020年卒の新入社員。また、来春入社の2021年卒は内定式だけでなく、採用試験からリモートを経験した、いわば「リモートネイティブ世代」です。

今回は、急激な社会変化で生まれた「リモートネイティブ世代」の現状と課題、そして強みの引き出し方に焦点をあててみましょう。

内定式、入社式、交流会もリモートに。戸惑う新入社員と人事担当者

新型コロナウイルス感染症対策として「緊急事態宣言」が発令され、2020年4月7日~5月6日の一ヶ月間外出自粛の要請により、多くの企業では、新入社員の受け入れ・導入研修の期間と重なったため、プログラムを急遽変更しての対応をとらざるを得ませんでした。

産労総合研究所の調査によると、「習得してもらう内容・要素をやむを得ず減らした」と回答した企業が6割以上、社員数3,000人以上の企業では9割近くにも上っています。
その一方で、「導入研修、現場実習等の期間を調整・短縮して実施し、配属日は変更しない」と回答した企業は55.2%と過半数を超えており、例年実施していたすべての研修が終わらなくても配属されたケースもありました。

出典元:株式会社産労総合研究所2020年5月「新型コロナウイルス影響下での、2020年4月入社者に対する 新入社員教育等の状況調査

そして、緊急事態措置が終わった以降も「従来通り」の環境には戻れていないのが現状です。

2021年卒の「内定式」の実施形式は、「オンラインで実施」が最多の34.1%でした。また、来春の「入社式・新入社員研修」は、48.5%の企業が「未定」としているものの、すでにオンラインでの実施を決定している会社が12%となっています。

出典元:株式会社学情 2020年9月「2021年卒採用「内定式」「入社式・新入社員研修」に関する企業調査

リモートネイティブ世代に考えられる課題とは?

Google MeetやZoomなどの無料、もしくは安価に利用できるツールにより、リモートワーク導入のハードルは大きく下がったのではないでしょうか。東京都の「テレワーク「導入率」緊急調査結果」からわかるように、リモートワークに踏み切った企業は少なくありません。

ですが、「withコロナ」のワークスタイルが長期に及ぶにつれ、リモートワークの「課題」も浮き彫りになりつつあります。

特に、「社会人として踏み出す最初の期間」をリモートで過ごした「リモートネイティブ世代」は、以下の理由から、社会人として成長する「機会」が大幅に減少しているのではないかと考えます。

「ヒューマンスキル」の育成を阻む現状とは…

【偶発的なコミュニケーションの機会減少】
休憩時間や食事など、仕事以外での上司や同僚との自然なコミュニケーションのチャンスが少なくなった
【モチベーションを支える機会減少】
優秀な先輩社員ややる気に満ちた同期と切磋琢磨するチャンスが少なくなった
【社内人脈を形成する機会減少】
直接的な利害関係のない緩やかな社内の人間関係を構築するチャンスが少なくなった

また、パソコンスキルについても焦点をあてるべきでしょう。総務省が発表した「平成30年通信利用動向調査の結果」によると、パソコンよりもスマートフォンを利用する人が増えています。このスマートフォンの普及により、スマートフォンで文字を打つことには慣れているが、キーボード操作をはじめパソコンそのものに慣れていない学生が少なくないのです。

パソコンを使う上での「ちょっとしたトラブル」に直面しても解決方法がわからず、それを誰に聞いていいかもわからない…。そんな「パソコンスキル不足」も課題の一つです。

新入社員のコミュニケーション不足、モチベーションの低下はどうやってサポートする?

ヒューマンスキルの育成も、PCスキル向上も、「自然発生的なサポートを期待できる機会」が少ない以上、意識的にその機会を提供する必要があります。

社会人としてのスキルを身につける仕組みの一つが、「OJT(On-the-Job Training)」です。しかし、まだ新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、リモートでどのように「OJT」を実施するか、まずはオンラインOJTでできることとできないことを切り分けて検討しましょう。

以下に、リモート版「OJT」で、できること・できないことの事例をそれぞれピックアップしました。自社のケースなら、ほかにどんなことがあるか共有することからスタートしてみてはいかがでしょうか。

リモート版「OJT」で、できること

・担当制やメンター制でのマンツーマン指導
・日報や作業報告書などテキストベースの指導
・Web会議システムを利用した営業同行
・先輩社員のメール送信にBCCで新入社員を追加するなど、通常業務を共有する
・推薦図書を電子BOOKで購入する
・「質問内容」ごとに、問い合わせ先をあらかじめ明示する
・キャリアコンサルタントや臨床心理士など外部の相談窓口を活用する
・新人・内定者向けのパソコン研修

リモート版「OJT」で、できないこと

・先輩の仕事ぶりを自然に観察する(電話応対や上司と先輩社員との会話を聞くなど)
・さまざまな部署の人との交流
・大人数での歓迎会など

リモートネイティブ世代ならではの強みを活かそう!

長年発表されている「新入社員のタイプ」では、2020年新卒をこのように表現しています。

「結果が出せる?! 厚底シューズタイプ」
衝撃を吸収し身体に優しいということで、以前から話題になっていた厚底シューズ。今や、最新テクノロジーを組み込み、ノウハウの蓄積によって、駅伝やマラソン等の記録を更新し、世界的に期待・注目を集めている。これは、ITの進展と共に育ち、先輩たちのノウハウをうまく活かして就活を乗り切った今年の新入社員の姿と重なる。良い結果を生み出すには、走法を変更する等(コミュニケーション・指導や働き方の変更等)準備や調整が必要。

引用元:株式会社産労総合研究所 2020年3月「2020年度(令和2年度)新入社員のタイプ

まさに、コミュニケーション・指導や働き方の変革が求められているのです。「私の時はこうだった」「新入社員とはこのようにするもの」という従前通りの「見て覚えてもらう」指導からの脱却が必要です。

ゴール設定から新入社員と話し合い、そのためにはどのようなサポートが必要か新入社員本人の要望をくみ取ることで、新しい世代の教育研修の基礎構築をはじめましょう!

まとめ

コロナ禍での不安により、新入社員のメンタルダウンなど心の健康についても不安視される声が上がっています。これまでは、初めての仕事に向き合う新入社員と接することで、先輩社員は指導経験を積むことができました。

また、知識やノウハウを伝えることによって、新入社員との人間関係が自然と良好に築かれるなど、これまで直接指導で得てきたものは、双方にとって大きかったといえるでしょう。

コロナ禍で勤務環境が大きく変わった今、リモートでもこの「新入社員の波及効果」が、組織全体に行きわたる職場環境を整備することは、企業にとって必要不可欠となるでしょう。






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