眠れない夜におさらば!睡眠の専門家が教える、生活リズムを整えるコツ

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ついつい夜更かししがちな夏休み。
一人暮らしだと自由な時間に寝て、自由な時間に起きれるのがいいですよね。

でも、そんな生活を続けていると、休み明け、さらには生涯の生活リズムに支障をきたすかも。

かくいう僕(大学4年生)も、夏休みになってから生活リズムはめちゃめちゃ。授業などの予定がなく、起きるのも昼すぎで、毎日夜更かし中。

そこで今回は、若い世代や大学生が抱える睡眠問題とその対処法について、企業の睡眠関連事業にも多数携わる睡眠セラピストの三橋美穂先生にお話を伺いました。

睡眠セラピストの三橋美穂先生。

睡眠セラピストの三橋美穂先生。

睡眠は就活にも影響する??

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―実は僕、今悩みを抱えていまして…夏休みになってから、どうも生活リズムが狂いがちなんですよね。学校がなく、朝早く起きる必要がないので、ついつい夜更かししてしまって、起きたら昼過ぎなんてこともよくあります(笑)。このままじゃいけないとは思っているんですが、なかなか変えられなくて…

三橋先生 「何時に寝て、何時に起きる」というのを自分で決める必要があると思います。

人間の体内時計は24時間より長いので、自然に生活しているとだんだん後ろに生活リズムがずれていくのは当たり前なんですね。体内時計には個人差があります。体内時計が短い人は朝に強いんですけれど、長い人は夜型に特になりやすいんです。

―なるほど。そうなると、僕は体内時計が長い性質なのかもしれませんね。では、自分で体内時計を変えることはできますか?

三橋先生 毎朝リセットするしかないですね。

そのためには、朝決まった時間に起きるというのが大事です。そこがしっかりしていないと、生活リズムがだんだん後ろにずれていきます。そうなると、体温のリズムもずれてしまうんです。

体温と睡眠は密接に関係していて、体温が下がると眠くなるという事実があります。ですから、体温のリズムがずれてしまうと、本来体温が上昇し活動的になる朝にも低体温のままで、起きるのが難しくなります。

そういった夜型の人は、眠りも浅いし、目覚めも悪いということも分かっています。一方、早寝早起きの朝型の人は、寝付くのもいいし、深く眠れるので、朝すっきり起きられるのです。

―こういった生活リズムを作ることが大事になりそうですね。

三橋先生 社会に出ては、さらに生活リズムが大切になるので、就活の時期から身につけておきたいですね。しっかり眠っていないと緊張や不安感が強くなるんです。ですから、就活に積極的に取り組むためにもしっかり眠るというのが大事ですね。

服の締め付けで生活にメリハリを

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―生活リズムをつくるためには、やはり早く寝ることが大事になるのでしょうか?

三橋先生 そうですね。早く寝る=睡眠時間を取ることになりますからね。理想は11時までに眠る。大学生だったら、7、8時間の睡眠時間は欲しいですから、朝起きるのは7、8時ですかね。

―なかなか実践している学生は少ないと思います。

三橋先生 そうだろうなと思いながら言いました(笑)。

―寝る前にちょっとYouTube見るとか、だめですよね。スマホが睡眠の妨げになっている気もします。

三橋先生 眠る時間にアラームをかけたらどうでしょう。何時になったらアラームが鳴って、そうしたらパパッと全部止めにして寝る準備をする。そういうことを自主的にすることが必要ですね。

それから、寝る時の服装なのですが、できるだけ締め付けの緩い服を着て寝ることが大事です。家に帰ったら、ベルトを緩めますよね、リラックスできるように。

それと同じで、寝る前に着替えることをルーティーン化することで、条件反射で眠るという行為に積極的になります。逆に、活動モードにしていくときは、締め付けるとやる気が高まるんですね。

―着替えることで、オンオフのスイッチになるんですね。

太陽の光はとっても明るい

―照明を使った睡眠法にはどれほどの効果があるのでしょうか?

三橋先生 かなり効果があると思います。たとえば、青白色は活動の光。日中、勉強するときなどは青白い光をつけるといいですね。

これが、夜になると柔らかい橙色に変えます。

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―寝る時は照明は全て消した方がいいのでしょうか?

三橋先生 寝る時は、暗ければ暗いほど睡眠ホルモンのメラトニンが分泌されるのでぐっすり眠れます。逆に、朝はしっかり太陽の光を浴びることも重要です。

太陽の光を浴びると、セロトニンという神経伝達物質が活性化して、気持ちが明るくなったりやる気が高まったりします。セロトニンは夜暗くなったらメラトニンに変わるという流れがあるんですよ。

夜更かしして起きるのも遅いと太陽の光を浴びる時間が少なくなるので、ぐっすり眠れなくなってくるんです。眠気もなかなか来なくなります。

―ライトよりも太陽の光にあたった方が良いのですか?

三橋先生 はい。実は、太陽ってすっごく明るいんですよ。明るさはルクスという単位であらわされるのですが、照度計で照明を図ると1200ルクスあります。いっぽう、窓辺に行くとどれくらいあるかというと、なんと5600ルクスもあるんです。

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―そんなに違うんですね。

三橋先生 ひなたに行けば晴天で10万ルクスを超えます。だから、朝起きたらできるだけ窓辺にいてください。本を読んだり、お茶を飲んだり、スマホを見るにしても窓辺でやるといいですね。

「んー体操」で頭を空っぽに!

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―僕の場合、ベッドに横になったはいいけれど、なかなか寝付けないときが結構あります。こういう時に実践できる方法はありますか?たとえば昔から羊を数えるとかありますけれど。

三橋先生 ひとつに、筋弛緩法という方法があります。

両手にぎゅっと力を入れて、ストンを力を抜くと、その反動で全身の力が抜けてとってもリラックスできます。

ほかには、自分の写真を見るという方法もあります。いろいろ考え事があるときに、悩んでいる自分の写真を撮っといてそれを見るわけです。そうすると、だんだん悩んでいる自分を俯瞰してみることができ、悩みがちょっとずつ自分から離れていくんですよね。するとどんどん意識が広がって、上手く眠ることができます。

あとは、指で耳をふさいで、息継ぎしながら、頭蓋骨に響かせるような感じで「んーーーー」と1分くらい声を出し続けるといいですよ。耳から指を離した瞬間、頭の中がしーんとして気持ちいいです。

―「んー体操」とでもいうべきでしょうか?

三橋先生 そうですね(笑) なんで眠れないかというと、頭の中がうるさいからなんです。

私たちの頭って、いろんなことを四六時中考えていますから。

横になってなかなか眠れないと、「眠れないな。眠れないと明日困るな。明日何があったっけ」などと、ずっと頭の中で喋っているわけですよ。

「んー体操」をやると、そのおしゃべりを止めることができます。頭の中を空っぽにできれば、クリアなマインドで眠ることができるようになります。

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睡眠は人の器の大きさを決定づける

―最後に、睡眠に悩む若者にメッセージをお願いします。

三橋先生 睡眠というのは、人の器の大きさを決定づけるものだと思うんですよね。

睡眠不足の時って、自分のことだけで精一杯で、人のことにかまう余裕がなくて、ついイライラしてしまいますよね。つまり、器が小さい状態なんです。

逆に、ぐっすり寝て気持ち良く起きたときって、器が大きくなっているので、気持ちにゆとりができて、人間関係もスムーズにいくようになります。

大きな器で勉強したり学んだりするのと、睡眠不足のまま小さい器のままやるのとでは成果がまるで違ってきます。

眠ることっていうのは無駄な時間ではなくて、日中の生活の土台になります。

土台がぐらついていては日中の成果も上がりにくいので、充実した学生生活なり人生を送ろうと思ったら、よい睡眠をとるということをぜひ心がけてもらえればと思います。

―三橋先生、ありがとうございました!

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三橋 美穂(みはし・みほ)
寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。わかりやすく実践的なメソッドが、テレビや雑誌等で支持を集め、睡眠のスペシャリストとして多方面で活躍。これまでの20年間に、1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、特に枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど。全国での講演活動や執筆、個人相談のほか、快眠グッズのプロデュースや、ホテルの客室コーディネートなども手がける。著書に『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』(かんき出版)のほか、子どもがすぐに眠ると話題の世界的ベストセラー『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)の日本語版を監修。http://sleepeace.com/

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