【あの人の、ひとり暮らしの思い出#夏生さえりさん】 「自分の家を、好きでいられる環境づくりを」




新しい生活が始まる春を越えて、早2ヶ月。新しい環境に慣れ始める方、まだまだ戸惑う毎日を過ごしている方、さまざまな方がいることでしょう。

今回は「あの人の下積み時代」と題して、フリーランスライターとして活躍中の夏生さえりさんに、これまでのひとり暮らしを振り返りつつ、「どんな部屋に住んでいたの?」「寂しさを感じるときはどうしていたの?」などなど、ひとり暮らしにまつわるいろんな疑問に答えていただきました!

大学入学と共に上京し、出版社勤務、Web制作会社を経て、フリーランスへと転身されたさえりさん。年齢やライフスタイルの変化と共に変わる、「住む家」への考え方に注目です。

夏生さえり(なつお・さえり)
フリーライター。大学卒業後、出版社に入社。その後はWeb編集者として勤務し、2016年4月に独立。Twitterの恋愛妄想ツイートが話題となり、フォロワー数は合計18万人を突破。難しいことをやわらかくすること、何気ない日常にストーリーを生み出すことが得意。好きなものは雨とやわらかい言葉とあたたかな紅茶。著書に『今日は、自分を甘やかす』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『口説き文句は決めている』(クラーケン)、『やわらかい明日をつくるノート』(大和書房)。

大学入学とともに上京、学校に通うためにひとり暮らしをスタート

−はじめてのひとり暮らしを始めた頃の思い出を教えてください。

さえりさん(以下、さえり):初めてひとり暮らしをしたのは大学入学と同時、18歳のときでした。山口県からひとりで上京して青山学院大学に入学したのですが、1〜2年生の間は神奈川県の淵野辺(ふちのべ)にあるキャンパスに通わなければいけなかったんです。そこで、淵野辺から通いやすい場所だった「南町田」に住みました。

−どうして南町田を選んだんですか?

さえり:大学に適度に近くて、でも適度に離れた場所だったからです。ひとり暮らしをしている同級生の多くは、学校のすぐ近くに住んでいる人が多かったのですが、「家に友人が入り浸るのではないか……」と無駄な心配して少し遠くの場所を選びました。予想通り、友人が来なかったのですが、結局それが寂しさの原因にもなりましたね(笑)。

それに、わたしの所属していた学部は、3年生になると通うキャンパスの場所が渋谷に変わるんです。南町田は東急田園都市線で、渋谷にも通いやすかったので、在学中の4年間を無理なく過ごせそうな南町田を選びました。

−住む家はどのようにして決めたのでしょうか?

さえり:高校3年生の冬に受験をして、合格が決まってから入学までの期間ってすごく短いんです。そのため、納得するまでじっくり家探しができたわけではありませんでした。両親に「ここにしたら?」と言われた家に決めた、という感じですね。部屋がフローリングではなくてじゅうたんだったので、無理やりフローリング材を敷いてなんとかお気に入りの部屋にしようとしたほどです(笑)

−すごい心意気ですね! その次に引っ越したのは?

さえり:大学3年生のときに、渋谷に通いやすい場所と思って「明大前」に引っ越しました。4年間を見越してはいたけど、南町田で住んだ家がなかなか好きになれなかったので。このときはたくさん調べてギリギリまで値切って決めましたね。

−値切りまで……! 前の引っ越しを踏まえた上での譲れないポイントはありましたか?

さえり:独立洗面台がついていることと、床がフローリング材であることです(笑)。
それに、角部屋がいい、駅から近いほうがいい、部屋が1階にあるのも嫌……などと、たくさんの要望を伝えていたので不動産屋さんは困り顔でしたね。

条件面が難しい場合は、「あと1,000円安かったら住めるんですが…」と家賃を値切って。納得するまで探したので、その家はすごくお気に入りでした。

シェアハウス、海外暮らしを経て、ふたり暮らしへ

−その後に住まれた自由が丘のシェアハウスについては、今までに記事で書かれていたこともありましたね。

さえり:大学3年生のときに、心身ともに体調を崩してしまったので実家に戻って療養していた時期がありました。そのとき、一度持っていた家具や家電をすべて手放していたので、復学して再度東京に出てきたときには「家具家電のある物件」を家探しの第一条件にしていました。もしかしたらまた、実家に帰るかもしれない……と思っていたので。

−場所や部屋の間取りよりもまず、住む体制を整えることを重視したんですね。

さえり:いずれにしても、ほんの一時期だけ住むための家と思っていたんです。ただ、それでも住み心地は重視したかったので、シェアハウスでもオープニングメンバーで入れることや、女性専用の物件であることは意識しながら探していました。結局、快適すぎて、大学復学からフリーランスになるまでの3年間をシェアハウスで暮らしました。

−その後、一度海外暮らしも経験されているそうですが、いかがでしたか?

さえり:ちょうど新しい家に引っ越したいタイミングだったので、思い切って家を解約して、スペインのバレンシアで2ヶ月間暮らしました。海外暮らし自体はすごく楽しかったのですが、そのときに「東京に戻っても、帰る家がないってこんなにさみしいんだ」ということを強く感じました。

さえり:実家はあっても東京に寝る場所がないのは、気持ちが不安定になるんです。心が休まる場所を想像できない、というか。とくに、バレンシアから東京に戻ってきてからの1週間は、カプセルホテルに泊まりながら家探しと仕事とを両方進めていたので負担も大きかったですね。

−カプセルホテルに1週間ですか……!

さえり:とにかく早く住むところが欲しかったので、そのときは「即入居可」の物件を探しました。また、打ち合わせでよく渋谷を訪れるので、渋谷へのアクセスが便利なエリアと考えて世田谷区に家を借りましたね。独立洗面台とフローリングは、変わらず絶対に必要なポイントでしたけど(笑)。

ひとり暮らしからふたり暮らしに。“嬉しいときにはスキップできる”広い部屋を選んだ

−振り返ってみると、引っ越し経験がすごく多いですね! 最近は、彼とのふたり暮らしを始めたと伺いました。

さえり:そうなんです! 今回はふたりで住むので、広々とした部屋を探すようにしました。前の家が狭かったので、嬉しいときにはスキップできるような家がいいな……と思って、日当たりや窓の大きさなども意識しましたね。内覧をたくさんすることで、ふたりとも納得できる部屋が見つかったと思います。

撮影に使ったモデルルームの中もチェック。
「キッチンが広々としていて、特にまな板を置けるスペースがあるのはうれしいですね~!」

−ふたり暮らしは、今までの暮らしとどんな違いがありますか?

さえり:暮らしの一つひとつが丁寧になりました(笑)。
ひとりで暮らしていたときは、朝早く起きるのは嫌だし、食事も朝昼兼用、なんてこともあったのですが、今は部屋を綺麗にしよう、しっかりご飯をつくろう、ときちんと考えるようになったので、暮らしの質が上がったように感じます。

暮らしを楽しくするヒントは“家がお気に入りの場所である”こと

−ひとり暮らしで快適に過ごすために、意識しているポイントはありますか?

さえり:わたし自身、家にいることがすごく多いので、とにかく“家を好きでいられるかどうか”を大切にしています。家を好きになるポイントを挙げるとするなら、

・陽の光が入る
・水回りが綺麗
・窓の外を見たときに気持ちのいい景観が広がっている
・部屋の風通しがいい

の4つでしょうか。

−さえりさん自身、ひとり暮らしに慣れるまでの時間は長いほうだったと思いますか?

さえり:わたしは結局、2年くらいひとり暮らしに慣れなかったので、長いほうだったと思います。もともと、高校時代から父は単身赴任、姉は上京していたので、まるまる3年間は母とふたり暮らしみたいな感じだったんです。母とふたりだけの環境は居心地がよすぎて、上京したらきっと病むだろうな……と思っていたのですが、案の定でした(笑)。ひとり暮らしの家に帰りたくない……と、駅でひとりで泣いていることもありましたね。

−上京して寂しさを感じる方は多いですよね。そんなときはどのようにして乗り越えていましたか?

さえり:家に好きなおかしやおつまみを買って、帰るのが楽しみになるようにしていました。わたしの場合は、生ハムとかサラミが好きなので、家にあると思うと少し元気になれるんです(笑)。ほかには、雑貨を買うのも好きでしたね。

−思い出に残っている雑貨やインテリアはありますか?

さえり:たくさんあります! 星型のライト、かわいい柄の布、ポストカード、昔は背面がリボンのソファーを買ったこともありました。

さえり:最近はふたり暮らしを始めることになったので、荷物を減らすためにも頑張って断捨離しましたが、学生時代に住んでいた明大前や自由が丘では「好きにしちゃおう!」と思って、いろいろ集めて飾っていましたね。

収納内もしっかりチェック。
「なにこれ! かわいい雑貨はテンション上がります……!」

−自分だけの空間を生み出した、ということですね。

さえり:そうですね。ただ、自分の空間という意味では、独立してから住んだ世田谷区の家が一番思い出に残っています。学生時代は家具も家電も両親のお金がなければ何一つ揃えることができなかったのですが、社会人になって、敷金・礼金、家具も家電も、すべてを自分が文章を書いて稼いだお金で購入できるようになったんです。精神的にも経済的にも自立できたので、この頃からひとり暮らしも心から楽しめるようになりました。

もしも今あの頃に戻るなら、住みたい街は「学芸大学」

−部屋の間取りや内装以外に、さえりさんが家を選ぶ上で大切にしていることはありますか?

さえり:夜道が気持ちいい環境であることですね。自由が丘のシェアハウスに住んだときに、駅の近くにある緑道を歩きながら帰っていたのですが、すごく気持ちよくて。高い建物が周囲に少なかったので、空を見上げながら考え事をして帰っていました。家そのもの以外の周辺環境も、暮らす上では大切なんですよね。

−年齢やライフスタイルの変化に伴って、価値観も少しずつ変わるのかもしれませんね。もしも、今さえりさんが大学生に戻るとしたら、どこか住みたい街はありますか?

さえり:う〜ん、どうでしょう……大学生に戻るとしたら、東急大井町線や東急東横線沿線の街が好きなので「学芸大学」かなあ。ほかには、大岡山、尾山台、元住吉とかもいいですね。わたしは代官山や中目黒みたいなキラキラした場所だと緊張してしまうので、少し離れた落ち着いた街に住みたいです。

−それでは最後に、これからひとり暮らしを始める方やすでに新しい生活を始めている方に向けて、メッセージをお願いします。

さえり:ひとり暮らしを始めると、寂しくなったりホームシックになったりする時期もあると思いますが、だんだんと自分の暮らしが楽しくなる日がくるはずです。その日を信じて、焦らずにじっくりゆっくりと自分の生活に向き合ってもらえたら嬉しいです。たまには無駄なものを買うなど、自分の気持ちがあがることも取り入れてみてくださいね。

取材・編集/鈴木しの+プレスラボ
写真/二條七海(チューリップ組)






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